3.
それからというもの、廊下でハリーやロンたちとすれ違い会話をするたびに
ドラコ(もしくはパンジー)が妨害し、その都度私は2人にわびなければならないという
めんどうくさい行事が恒例化したものの、2度目のホグワーツは予想外に楽しくて、
気がつけばもうクリスマス休暇が始まる朝になっていた。
「レアリー」
談話室で新聞を読んでいると、ドラコがやってくる
「おはよう、ドラコ。今朝はずいぶん早いのね」
ぺラリ、と新聞のページをめくりながらドラコを見上げる
「これ」といって渡されたのは、マルフォイ家の家紋が入ったクリスマスパーティーの招待状。
「父上が君に、って」
封蝋をペリリ、とはがして中から手紙を取り出すと、招待状は2枚入っていた。
"レアリー・ベッカー"宛に書かれた招待状の下には、"・"宛に書かれたものがあり、
わたしは毎年行われるこのイベントをすごく楽しみにしていたので、笑顔がこぼれる。
「ドラコ…ごめんなさい、クリスマスは予定があるの」
「そっか。じゃあ、気にしなくていい。」
「ごめんね、」
「気にするな。それより、ほら、早く行くぞ」
僕は雑踏が嫌いだ、と言って、彼は私の荷物を持ってさっさと歩いていく。
「それじゃあ、良いクリスマスを」
「ドラコもね。また、学校で」
ドラコとキングズクロス駅でお別れをして、私はまっすぐトイレへ向かう。
個室に入り、杖を自分のこめかみに向ける。
個室のドアを開け、鏡の前に立つと、銀色の髪の毛に薄紫色の瞳の・
そして私は鏡に向かってにやり、と笑い、指をパチンと鳴らしたのだった。
その頃、マルフォイ家では、ナルシッサがルシウスとドラコの帰りを待っていた。
ふと、外を見やると真っ白な景色の中に、真っ黒な車が自宅に向かって走ってくるのが見える。
「予定より少し早い帰宅だわ」とナルシッサが思ったとき、玄関のベルが鳴った。
「あなた、おかえりなさ…って、?!」
「まだルシウスとドラコ帰ってきてない?!」
「え、えぇ…」
「あーーーーよかった、ルシウスに手紙でドラコたちより先に家に行ってって言われてたから」
寒かったーーーーと身ぶるいすると、ナルシッサは暖炉の近くのソファに私を導いた。
「どうせならあの姿のまま来てほしかったわ」
「それは無理よ、シシー。1年生は姿現しなんてできないもの」
かわいかったのに!と残念がる彼女をなだめていると、再び玄関のベルが鳴る。
「おかえりなさい、ルシウス、ドラコ」
ナルシッサが二人の肩にほんの少し残った雪を払い、キスを落とす。
「おっかえりーーー」
「なんだ、お前、もう着いていたのか」
「あら、ルシウスがそうしろって言ったんじゃない!」
「てっきり不可能だと思っていたからな」
くくく、と笑いながらソファに腰掛けるルシウス。
「父上、この方は?」
「えーーーーードラコ忘れたの?!」
私があまりに落胆するので、ドラコは「すみません」と小さくなった
「、仕方ないだろう。お前がドラコに最後に会ったのはまだ1歳の時だからな」
「そうね、そうだったかも。ちっちゃかったわーーあのときのドラコってば!」
"ちいさい"という表現に少し反応するドラコ。
「まぁ、いいわ。あたしは・よ。」
「これからこのお家にはちょくちょくお邪魔すると思うから、よろしくね」
ドラコにむかってにこっと笑ってみせると、ほんの少しだけ頬を染めて、ドラコは頷いたのだった。
「で、お前はなんでここにいるんだ」
「あら、いいじゃない!」
「よくない!ここは僕の部屋だぞ!」
「だって、暇な上に、暇なのよ」
意味がわからない、とドラコは頭を抱える
「なんでも良いから早く部屋に帰って寝ろ」
「え、まだ11時だよドラコくん」
「明日はパーティーだから朝が早いんだぞ」
「わかったわかった、とりあえずお風呂いってくる」
私はぶつぶつ文句を言うドラコを置いて、バスルームに向かう。
(なによ、さっきまで楽しそうに話してたくせに!)
おそらくナルシッサの趣向だろうと思われる、とても良い香りの泡風呂を堪能し、
ネグリジェに着替えたは髪を一つに結い上げバスルームを後にした。
(あ、鍵かかってるし)
がちゃ、とドラコの部屋にドアに手をかけると鍵がかけられている。
「お前、なんで入ってくんだよ!」
「私はマグルじゃないのよ、れっきとした魔女!魔法くらい使えるわ」
「はぁ……まぁ今はいてもいいけど、寝る時は部屋帰れよ」
「気が向いたらね」
と、けらけら笑ってドラコの部屋のソファに寝転がる。
「はぁ、一応レディだろ?一人で寝ることくらいできるだろ?」
「誰も添い寝してほしくてここにいるわけじゃないわよ」
変な想像しないの!とデコを突いてやると、ドラコは顔を真っ赤にして「してない!」と怒る。
「わかってるって。からかっただけよ、ウブねぇ」
「僕をからかうな!!!」
私を部屋から押し出すので、しぶしぶドラコの部屋を出る。
「出ていくから、そんな、押さないでよ!ばか!」
「こうでもしなきゃ出ていかないだろ!」
「わかったわよ、わかったって!おやすみ!」
危うくお尻をドアに挟まれる寸前で飛び跳ね、おやすみを言うと、
ドラコはドアの向こうで「おやすみ!寝ろ!」と怒鳴った。
「ずいぶん騒がしいな」
ドラコの部屋の真向かいにある私に用意された部屋に入ろうとすると、ルシウスが歩いてくる。
「お、ルシウス〜〜〜〜!聞いてよドラコってば、私のこと、お前とか言うのよ?」
しつけが成ってないわ!と言うと、ルシウスは苦笑する
「許してやれ、心を開いている証拠だ」
「そうなの?じゃあまぁいっかな!」
「ところで、明日は朝6時までに起きる、という我が家のルールはご存知かな?」
「え」
「君は居候つまりこの家の屋根の下に居るわけだ、パーティーの準備を手伝ってもらう」
「まって私8時間睡眠の女なんだけ「いいな」」
寝坊したらワインは無しだぞ、と念を押されて、私はそそくさとベットに入ったのだった。
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2010.1.4 shelly